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新年のご挨拶

新年 の ご 挨 拶

一般社団法人全国トマト工業会
会 長  山 口  聡

2021年の年頭にあたり、謹んで新年のお慶びを申し上げます。旧年中は当工業会の事業推進に多大なご支援を賜り厚く御礼申し上げます。

新型コロナウィルス感染拡大の終息がなかなか見込めない中、食品業界におきましては、外食産業の売り上げが大きく落ち込んでいることから、外食店向けの業務用食品の販売は厳しい状況が続いております。一方、市販用食品の販売については、巣ごもり化が進み、家庭で料理をする機会が増えてきたことから、比較的好調に推移しております。

私どもトマト業界におきましては、2020年4月~11月までのトマト加工品全体のJAS格付数量が144,594t(前年同期比101.1%)と、前年より微増という状況で推移しております。
コロナ禍の中、業務用製品の売り上げの落ち込みを、調味料・調理素材など家庭用製品の販売の伸びでカバーしたと考えられますが、根底には、メーカー各社が、リコピンの効果や減塩など健康価値を訴求する製品、国産原料使用など付加価値の高い製品、また、利便性を打ち出した新ジャンルの製品などを開発・販売していることが、ここ数年来、堅調に推移している要因であると考えております。

2020年度のジュース用トマトの生産状況でございますが、私ども全国トマト工業会が集計した加工用トマト生産振興協議会加盟県10県の作付面積は328.93haということで、前年実績より約4haの減少となりました。一方、単収は5.6tで、前年実績より1.4tのマイナスとなり、生産数量は18,412tと、前年実績よりも4,465tの減少、前年比は80.5%という結果となりました。
本年も昨年同様、全国的に6月までの生育は順調で豊作基調でありましたが、7月以降は曇天・長雨、また8月以降は急激な猛暑の影響で、トマトにとっては大変厳しい気象状況となり、残念ながら生産数量は2年連続して減少となりました。
しかしながら、このような状況の中で、生産者、関係者の皆様方には、多大にご尽力いただけましたことにつきまして、この場をお借りして御礼申し上げます。
国内産の加工用トマトの生産状況については、生産者の高齢化等による労働力の減少、他の作物への変更、また、異常気象による生育不良など、引き続き解決すべき問題が数多く存在しているのが実状です。
さらには、TPP11、日EU経済連携協定、そして日米貿易協定が既に発効され、海外産のトマトペースト・ピューレーの関税が2023年までに段階的に撤廃されることにより、国内産の加工用トマトはどうなるのかと危惧される方もいらっしゃると思います。
しかしながら、私ども工業会は、「国内産の加工用トマト」は高品質でおいしく付加価値の高いものであり、消費者の方々より高い支持や信頼をいただいている限り、決して無くならない、無くしてはいけないものと考えております。

2021年度も、「加工用トマトの生産の維持・拡大」は、私ども工業会の最大の使命と位置づけますが、その使命を果たすために、従来の支援事業はもちろんのこと、会員メーカー間の連携を強化して、諸問題の解決に向けて全力で取り組んで参る所存です。

本年も引き続き皆様方のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げまして、新年のご挨拶とさせていただきます。

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