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新年のご挨拶

新 年 の ご 挨 拶

一般社団法人全国トマト工業会
会 長  寺 田  直 行

 

2020年の年頭にあたり、謹んで新年のお慶びを申し上げます。旧年中は当工業会の事業推進に多大なご支援を賜り厚く御礼申し上げます。

食品業界におきましては、食品表示基準の経過措置期間が今年の3月末に迫り、新たな加工食品の原料原産地表示制度の経過措置期間も残すところ1年少々となりました。また、食品衛生法等の一部を改正する法律の公布により、HACCPに沿った衛生管理の制度化や営業許可制度の見直し・営業届出制度の創設など、改正食品衛生法の施行に向けて、着々と整備が進められています。
一方で、日米貿易協定が1月1日付けで発効となり、さらに、この4月に、TPP11と日欧EPA(経済連携協定)が、発効から3年目を迎えることで、該当国のトマトペースト・ピューレーの関税が、段階的に2023年には撤廃となりますが、これには国内産加工用トマトの生産への影響も懸念されるところです。

私どもトマト業界におきましては、2019年4月~11月までのトマト加工品全体のJAS格付数量が143,026t、前年同期比100.3%という状況で推移しております。前年実績とほぼ同数量ではございますが、4年前(2015年)の同時期と比較すると23%の増となっており、市場規模は堅調に推移しているものと認識しております。
ここ数年来、メーカー各社は、リコピンの効果や減塩など健康価値を訴求する製品(機能性表示食品を含む)、国産原料使用など付加価値の高い製品、利便性を打ち出した新ジャンルの製品などを開発・販売していること、また、メニュー提案を継続して行っていることが、好調を保っている要因であると考えております。


2019年度のジュース用トマトの生産状況でございますが、私ども全国トマト工業会が集計致しました加工用トマト生産振興協議会加盟県10県の作付面積は332.94haということで、前年実績より27.5haの減少となりました。一方、単収は、6.9tで、前年実績より若干プラスとなりましたが、生産数量は22,877tと、前年実績よりも1,207tの減少という結果となりました。
当年度は、全国的には6月までの生育は概ね順調で、大変期待が持てるスタートとなりました。しかしながら、7月以降は日照不足、低温、長雨等の影響により糖度がなかなか上がらず、また、8月以降は急激な猛暑の影響によりリコピン値が例年より低いなど、生産数量の減少に加えて、品質的にも大変厳しいシーズンとなりました。
このような状況の中で、生産者、関係者の皆様方には、多大にご尽力いただけましたこと、この場をお借りして御礼申し上げます。


国内産の加工用トマトの生産状況については、生産者の高齢化等による労働力の減少、他の作物への変更、また、異常気象による生育不良など、引き続き解決すべき問題が数多く存在しているのが実状です。
それでも私どもは、国内産の加工用トマトは、高品質でおいしく付加価値の高いものであり、消費者の皆様より高い支持や信頼をいただいている限り、決して無くならない、無くしてはいけないものと考えております。
2020年度も、「加工用トマトの生産の維持・拡大」は、私ども工業会の最大の使命と位置づけますが、その使命を果たすために、従来の支援事業はもちろんのこと、会員メーカー間の連携を強化して、諸問題の解決に向けて全力で取り組んで参る所存です。

本年も引き続き皆様方のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げまして、新年のご挨拶とさせていただきます。

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